コラム

写真家・鈴木さや香さんが教える、写真の楽しみ方や飾り方~子ども編~

2016.11.24

シンプルなのに印象的で心に残る、そして思わず手に取りたくなる……。写真家・鈴木さや香さんの作品は、不思議な力を秘めています。鈴木さんの撮る写真は、日常の何気ない風景や、旅行先での美しい景色、無垢な子ども達の表情など、さまざまです。それらの写真は、いずれも独特の色使いや感性豊かな視点で切り取られ、鈴木さんらしい個性が光るものばかり。

今回は、赤ちゃんや子どもの写真を数多く撮影されている鈴木さんに、無邪気な表情や成長の記録を写真に残す楽しさや、写真を飾る喜びについて伺いました。

鈴木さんの写真への思い入れや、撮り方のコツを参考に、写真の世界をさまざまな角度から楽しんでみましょう。

子どもの個性を写真に収めることができたら、それが一番大切なんです


写真館でキレイな家族像や子どもの写真を撮影してもらうのも良いけれど、家族の間だからこそ撮れる何気ない日常のシーンや表情を、カメラやスマホで撮影していくのも楽しいものです。かしこまって撮影するのではなく、そのままの姿を残していく、そんな気持ちで、まずは撮る楽しみを見つけてみてはいかがでしょう?


「子どもや家族の写真をキレイに撮りたい、素敵に撮影したいという気持ちはだれでも持っていると思います。私も仕事で子どもや家族の写真を撮らせてもらっているとき、もちろんそういう気持ちで撮影していますが、キレイな写真を残すことにとらわれ過ぎてしまったり、カメラの機能にこだわり過ぎてしまうことも・・・。でも、何百組の家族を撮影しているうちに、家族がそこにいる姿、自然な姿をありのままを写すことが大切だと気がついたんです。」

子どもは繊細で無邪気でとらえどころがない、そんなそのままの姿が自然だと感じた鈴木さん。その中でも、特に赤ちゃんの写真を多く撮影されている理由をうかがいました。


「幼い子どもや生まれたばかりの赤ちゃんにも、もちろん個性があって、ひとりひとりそれぞれの思いを持っているんです。でも、大人のように言葉が上手じゃないし、感情の表現もうまくないので、その思いや個性が伝わりません。子ども達がどんなことを思っているのか、こちら側が歩み寄ってその思いを汲みとりたい! そう思ったときに、子ども達の姿を、きれいでなくてもいいから残していきたいと、私自身が自然と思うようになりました。」


「中でも一番無垢で個性や思いをうちに秘めているのが、新生児なんです。新生児のその無垢な精神と肉体から発信する何かを写真ですくいあげたいと思い、新生児の写真を撮り始めました。そんな私の撮影に対する想いが口コミで広がり、今では多くの赤ちゃんを撮らせてもらっています。子どもの発する個性を、カメラを通して感じとって写真に収めることができたら、それがもう作品なんですよね。」


プリントすればストレスフリーで写真が見られます

子どもの写真はたくさん撮っているけれど、自宅でプリントしたりお店に注文に行くのが面倒などの理由で、プリントまではしていないという人も多いのではないでしょうか? 確かにプリントアウトをする作業はひと手間かかるぶん、敬遠されがちな作業です。しかし、そのひと手間をかけることで、たくさんの人が手間なくすぐに写真を見られるというメリットもあるのです。


「スマホやパソコンのデータの中の写真は、覚えておこうと撮っているものばかりではないと思います。見せたい写真を探し出して見るというのは、本4ぽ当はエネルギーが必要なこと。でもお気に入りの写真だけでも紙にプリントすれば、写真を見るためにいちいちパソコンを立ち上げたりする手間がなく、誰もがすぐに見ることができます。小さい子どもからお爺さんやお婆さんまで、みんながストレスなく、いつでも写真を眺めることができるという点が、プリントの最大のメリットです。自分がちょっとしたひと手間をかけてプリントすることで、その後ストレスなく多くの人たちが写真を通して子どもの成長を見られるということは、とても素敵で重要なことだと思うんです。」


写真とひもづく思い出を一緒にディスプレイするのも楽しみのひとつ

最近では、写真をプリントアウトする素材も、光沢紙やマット紙、布など、好みに合わせていろいろ選べます。その中から、自分のお部屋の雰囲気に合わせたものを選んで、プリントした写真を飾れば、無理なく統一感を出すことができるでしょう。


「写真を部屋に飾るときは、何枚も飾れる大きさのL版やはがきサイズくらいで十分です。例えば飾るものが子どもの写真だったら、写真だけをただ飾るのではなく、その子が生まれて出生届けを出した日に拾った花びらなども、一緒に飾ってみてはいかがでしょう。」


そのときの思い出に繋がるものを一緒に飾ることで、思い出をそのまま飾るような感覚でディスプレイができて、より世界観を出しやすくなります。写真とともに思い出を辿りながら、ディスプレイの楽しみを見つけてみませんか。


(鈴木さや香)

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