コラム

「ましかく」写真の撮り方

2016.08.01

タテ長でもヨコ長でもない、ましかく写真。現在ではインスタグラムを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、もともとは「ブローニ」という、フィルムを使うカメラの6x6サイズが元になった切り取りサイズです。

構図のバランス次第で、広がり感も高さ感も、均等なバランスにも、さまざまな表現ができます。面白くて不思議な魅力あるカタチです。 今回は、さまざまな作例写真を通して、ましかく写真におすすめの構図や撮り方をご紹介します。

奥行きや高さを感じられる構図


冒頭の写真は、赤い傘をさした女性をポイントに、花と樹木の地平線と、手前に広がるチューリップで奥行きを表現しています。シンプルな画面構成と淡い色あいでまとめられた、柔らかで心地よい写真です。

今度は、水平線を下の方に置くことで、海の広さと空の高さを感じさせてくれる写真になっています。
水平線を上の方に持ってくると、空の高さよりも海の広さを主役にした写真になります。
青い海の白い波と、青い空に浮かぶ波のような白い雲がうまくリンクした、シンプルながらおもしろい写真になっています。

この写真は、遠くに人物を配置して柵のある道をななめに配置することで、遠く過ぎ去っていく感覚を写真で表現しています。色あいも、緑をポイントにシックな茶系でまとめられています。

シンプルな空間を活かして撮ろう!

この写真は、鮮やかな色調のチューリップが、ブルーグレーの空を背景にシンプルに配置されています。ポラロイド写真のように淡く柔らかく、クラシカルなトーンでまとめられています。ましかくにして上にもヨコにも空間を作れることで、空の広さを表現しています。

菜の花が続く畑のまんなかにカメラを構える女の子を配置したシンプルな構図の写真です。曇り空が明るいグレーになっているので、菜の花の黄色と緑の色あいがとても印象的に感じられる写真です。

この写真は、進んでいく方向に空間を作って汽車の進んでいく動きを感じさせるヨコ長写真の構図と、空の高さを表現するタテ長写真の構図の良さを両方兼ね備えた写真になっています。 色あいは、空の青と雲の白、車体や枯れた草の黄色、緑の草色とシンプルに仕上げられています。

この写真は、主役の人物を下の方に置き、伸びやかな樹木と大地、雲や青空を画面の中に取り入れ、夕方の強い逆光の中で人物をシルエットにすることで、色あいをシンプルにまとめた、安定感のある力強い構図の写真です。

「しかく」や「まる」被写体のカタチを意識して撮影してみよう!

この写真は、まるいカップやお皿と四角いテーブルが主役になっているシンプルな構図の写真です。ぼかした空間に写る椅子にも、四角い直線と丸い曲線が見えます。色あいは、カフェオレと木のテーブルを同系色の茶色っぽいトーンでまとめています。

この写真は、ましかくの画面の中に、いろいろな大きさのまるを配置しています。少し手前に集めることで安定感を出し、奥に空間を作ることで奥行き感を出しています。奥行き部分のポイントとして少しグリーンを入れて画面に締まりを出しています。色あいも、カレーやビールの黄色系を主役に、いちごの赤、ガラスの透明なブルーと奥のグリーンをほんの少し入れることで可愛らしい華やかさを感じさせてくれます。

ましかく写真は、カメラの設定で、最初からましかくの設定にして撮影する方法、インスタグラムなどましかくに撮影できるアプリを使う方法、後からフォトショップなどのソフトで切り取るトリミングという方法があります。

構図作りのポイントは、主役となるものを四隅のどこかに寄せて空間を活かす方法や、斜めや水平垂直の動きを感じさせる線を意識すると良いでしょう。
色あいは2~3色くらいの色調にすると、シンプルでまとまりが感じられる写真になります。

ちょっぴりクラシカルな構図のましかく写真を、シンプルな構図で楽しんでみましょう!

(川上博司)

All photo by:@suu614

この記事もおすすめ
>> シャッターをたくさん切る前に聞いてほしい「構図」の話
>> 一眼レフの撮影に慣れてきたときこそ!スマホ写真を楽しむススメ

ページの上部へ