PROJECT STORY

アスカネットのこれまでとこれから

STORY 08

“浮空(うくう)ライブ
ステージ” 開発秘話

空中ディスプレイ事業

※所属部署、掲載内容は取材当時のものです

集合写真

“空中に浮かぶ”体験を、もっと多くの人へ。
試作と改良を重ねて生まれた、新しい空中ディスプレイ体験「浮空ライブステージ

空中にキャラクターや映像が浮かび上がる。
アスカネットの空中ディスプレイ技術「ASKA3Dプレート」を活用し、その驚きや没入感を“体験できる製品”として形にしたのが「浮空ライブステージ」シリーズです。

自宅で楽しめる「Home」から、大型イベントや施設向けの「匠」「MAX」まで。
VTuberやイベント分野での活用をきっかけに、営業と開発が何度も試作と改善を繰り返しながら、新しい体験価値を追求してきました。
今回は、製品開発に携わったメンバーが、誕生の裏側や開発秘話について語ります。

MEMBER

江川 真哉

江川 真哉

空中ディスプレイ事業部
プロダクト開発グループ

2007年入社 / 広島本社

小口 洋平

空中ディスプレイ事業部
営業グループ

2017年入社 / 東京支社

小口 洋平

まずはお二人の仕事内容を教えてください

空中ディスプレイ事業部のプロダクト開発グループで、主に営業のサポートや製品開発を担当しています。
営業と一緒に現地へ同行して納品対応を行ったり、お客様や営業メンバーからもらったアイデアをもとに、新しい筐体や製品の提案・開発を行っています。
特に最近はVTuberやXRといった注力分野の情報を参考にしながら「もっと面白い体験ができないか」を考える機会も増えています。

私は営業として、空中ディスプレイを活用したソリューション提案を担当しています。
お客様は企業だけでなく自治体も多く、接客ツールや操作パネル、イベントでの集客コンテンツなど、さまざまな用途で提案を行っています。
また、お客様との会話の中で出てくる「こんなことできない?」「こういうものが欲しい」といった声を、開発チームへフィードバックするのも重要な役割です。
営業と開発が連携しながら、一緒に新しい製品や体験をつくっています。

“浮空ライブステージ”とはどのような製品ですか?

浮空ライブステージは、アスカネット独自の空中ディスプレイ技術「ASKA3Dプレート」を活用した製品シリーズです。
空中ディスプレイに欠かせないコア技術であるASKA3Dプレートを「もっと多くの人に体験してもらいたい」という想いから、分かりやすく“製品”として形にしたのが、この浮空ライブステージシリーズになります。
ラインナップも幅広く、自宅で楽しめる小型モデルの「Home」から、大型イベントや施設向けの「匠」「MAX」まで展開しています。
VTuberやXR、イベント領域などとも親和性が高く、今後は街中やイベント会場、施設など、さまざまな場所で見かける機会が増えていくと思っています。

これまでのASKA3Dプレートは、どちらかというとBtoB向けの高価格帯製品が中心だったので、一般の方が触れたり、体験できる機会は多くありませんでした。
ただ、VTuberや推し活といった分野と組み合わせることで「空中に浮かぶ」という体験を、より身近に感じてもらえるようになったと思っています。
以前は営業メンバーがASKA3Dプレート単体を持って提案することも多かったのですが、それだけだと使い方をイメージしていただくのが難しい場面もありました。
その点、浮空ライブステージは、実際にキャラクターや映像が浮かぶところまで含めて体験できるので、空中ディスプレイの面白さを直感的に感じてもらいやすい製品になっていると思います。

開発のきっかけや、どのような課題があったのか
教えてください

実は、浮空ライブステージ Homeは、今の形になるまでかなり多くの試作を繰り返しています。最初は現在のような横型ではなく、縦型のモデルからスタートしていました。

浮空ライブステージ Home 試作品説明風景

当時は、VTuberやVライバー向けに「空中ディスプレイを使った新しい筐体ができないか」というところから企画が始まっていて、社内では“エッグ”と呼んでいた卵型の試作品なども作っていました。
そこから実際にVTuberの方々に試作品を見ていただき、意見交換を行ったのですが「空中に浮かぶ」という体験自体にはすごく驚いていただけた一方で、推し活グッズとして考えると「サイズが大きすぎる」「他のグッズと並べにくい」といったリアルな声もいただきました。
特に印象的だったのが「スマートフォンを筐体の中に入れてしまうと、配信中に投げ銭ができない」という意見です。
自分たちにはなかった視点だったので、すごく勉強になりました。
そういったフィードバックを受けながら、展示会やVTuberイベントへの出展、実際のユーザーとの対話を何度も重ねていきました。
その中で「もっと身近に楽しめる形にしたい」という方向性が見えてきて、現在の横型・スマホ置き型のHomeへと進化していきました。
また、2025年にはXRチームも立ち上がり、事業部としてVTuber領域への取り組みも本格化していきました。イベントで限定販売したモデルが即完売したこともあり「これは本当に求められている製品かもしれない」と感じたのを覚えています。

大型モデルの「MAX」と「匠」に関しては、実は最初に開発したのはMAXでした。
等身大サイズのキャラクターを空中に表示できる非常にインパクトのあるモデルで、展示会などでも強い注目を集めていました。

ただ、その分どうしてもサイズが大きく、価格面や取り回しのハードルが高くなってしまうという課題もありました。
そこで「もう少し導入しやすいサイズ感で、より多くのお客様に提案できるモデルを作れないか」というところから開発されたのが「匠」です。
サイズを見直したことで、価格もMAXの半分程度に抑えることができ、イベント運営や常設展示でも扱いやすくなりました。
実際にリリース後は「MAXは難しいけれど、匠なら導入したい」というお客様の声も増え、受注や引き合いも広がっています。
また、サイズダウンしたことでセンサーとの組み合わせもしやすくなり、空中タッチ操作など、MAXでは難しかったインタラクティブな体験も実現できるようになりました。

浮空ライブステージ 匠

どのようにたくさんの課題を乗り越えたのでしょうか

浮空ライブステージ Homeの開発では、デザイン面にもかなりこだわりました。
特に意識していたのが、VTuberやキャラクターの世界観に合う“やさしさ”や“親しみやすさ”です。
現在のHomeは、角に丸みを持たせた柔らかいデザインになっているのですが、そのデザインを、フォトブック事業部で販売している人気商品「pasta」の技術や質感を活かして再現しようとしていました。
ただ、この丸みや素材感をそのまま製造へ落とし込むのは簡単ではなく、製造面ではかなり難易度が高かったそうです。
そこで、空中ディスプレイ事業部とフォトブック事業部で何度も相談を重ねながら「デザイン性」と「製造しやすさ」の両立を模索していきました。
最終的には、見た目の柔らかさや世界観を大きく損なわない形で、うまく折衷案を見つけることができたと思っています。
もともと私自身がフォトブック事業部に携わっていたこともあり「この技術なら活かせるかもしれない」と考えたのがきっかけでした。
事業部の垣根を越えて、それぞれの知識や技術を持ち寄りながら形にできたのは、アスカネットらしいプロジェクトだったと思います。

インタビュー風景

“浮空ライブステージ”という名前は
どのように決めましたか?

「浮空(うくう)」という言葉は、事業部の責任者のアイデアから生まれました。
空中に映像やキャラクターが“浮かぶ”という特徴を、そのままシンプルに表現した名前になっています。
「ライブステージ」という言葉については、没入感や体験価値を意識して付けられました。
展示会などでも、実際にキャラクターがステージ上に立っているように見える演出を行うことが多く、ただ映像を見るだけではなく、“その場に存在しているように感じられる体験”を大切にしています。

営業としても「空中に浮かぶ」という特徴がそのまま伝わるので、すごく分かりやすくて良い名前だなと思っています(笑)
実際、お客様への説明でも「空中に浮いて見えるんです」という話をよくするので、製品の特徴と名前が自然につながっている感覚がありますね。

展示会での反応や、導入された企業様からの反応は
いかがですか?

大型モデルの「MAX」や「匠」は、展示会でもかなり注目度が高いですね。
実際に展示していると「何これ?」と足を止めてくださる方が多く、空中にキャラクターや映像が浮かんでいるインパクトの強さを実感しています。
特に「匠」は、サイズ感や価格面のバランスが良くなったことで、企業様からの引き合いも増えてきました。
すでに導入が決まっている案件もあり、今後さまざまな場所で実際に体験していただける機会が増えていくと思っています。
最近では、空中にAIアバターを表示して案内サイネージとして活用するような提案も進んでいて「注目を集めたい場所」での活用ニーズはかなり高いと感じています。

インタビュー風景

Homeについては、VTuberイベントや展示会で、実際にファンの方の反応を直接見る機会が多くありました。
特に印象的だったのは「推しのキャラクターが空中に浮かんでいる」という体験そのものに、すごく没入してくださる方が多かったことです。中には、30分くらいずっと見続けている方もいらっしゃいました。
推し活という文化との相性もかなり良いと感じていますし、価格感も含めて「自分の部屋に置きたい」と思っていただけるラインに近づけられたのかなと思っています。
展示会やイベントで直接反応を見るたびに「空中ディスプレイをもっと身近なものにしたい」という開発当初の想いが、少しずつ形になってきている実感があります。

今後はどのような製品やサービスを開発したいですか?

まずは、営業メンバーやお客様からいただく声にしっかり応えていきたいですね。
空中ディスプレイはまだ「特別な技術」というイメージを持たれることも多いのですが、もっと身近な存在にしていきたいと思っています。
そのためにも「どんな形なら日常の中に自然に溶け込むのか」「どんな体験が喜ばれるのか」を、これからも探りながら開発を続けていきたいです。

ハードウェアとしては、かなり面白いものが揃ってきた感覚があります。
なので今後は「空中に何を映すか」「どういう体験を届けるか」といった、コンテンツやソフトウェアの部分がより重要になってくるのかなと思っています。
例えば、空中に表示されるキャラクターやAIアバターと会話できたり、もっとインタラクティブな体験ができたり。そういう世界観は個人的にもすごく面白いなと思っています。
まだまだアイデア段階ではありますが、ハードだけでなく、“体験そのもの”まで含めてアスカネットから発信できるようになったら、さらに可能性が広がるんじゃないかなと感じています。

最後に、この記事を読んでいる方へ
メッセージをお願いします

空中ディスプレイ事業部は、まだ世の中に広く浸透していない最先端の技術を扱っている事業部です。その分、決まった正解がない中で、新しい用途や価値を自分たちで考えていく面白さがあります。
企業や自治体、大手メーカーなど、本当に幅広いお客様と関わる機会も多いので、新しいことに興味がある方や、自分の視野を広げたい方にはすごく面白い環境だと思います。

アスカネットは、遺影写真加工、フォトブック、空中ディスプレイと、それぞれ全く違う事業を展開している少し珍しい会社だと思います。 一方で、事業部間で連携、協力し、新しい製品やサービスにチャレンジする風土もあります。
私自身、フォトブック事業部から空中ディスプレイ事業部へ異動してきましたが、本当に毎回新しい挑戦の連続です。同じことを繰り返すというより「もっと面白くできないか」を考えながら進んでいく仕事が多いですね。
新しいことにチャレンジするのが好きな方には、すごく刺激のある環境だと思います。

インタビュー風景