コラム

写真に命を吹き込む作業。写真展を開催するススメ

2016.04.08

以前、フォト総研のコラムで「芸術の秋、写真展を見て“考える”ススメ」という記事を書かせていただきました。

今回は、3月初めに個展を開催した筆者が、展示をする側に立ってみてわかったことをお伝えしたいと思います。

展示をした方が良い理由-(1)内なる自分との対峙

まず、どんなテーマで展示をするのか。次に数ある中からどの写真を選ぶのか。展示方法、展示枚数・・・考えることは山程あります。そして、その作業は必然的に内なる自分と対峙することになるのです。「自分は何が表現したいのか」「どんな写真が好きか」。長期間そんなことばかり考えていると、時に自分と向き合うことが辛い日もあります。ですが、こんな機会がなければ日々の生活に追われ、写真について時間をかけて考えることも無く過ぎていたことでしょう。辛くなっても逃げることができない日々は、結果として、自分の心にある余計なものを削ぎ落とし、本当に好きなものが見えてくる貴重な時間となりました。

展示をした方が良い理由-(2)プリントする大切さ

プリントする紙の種類でも、写真の表情はガラリと変わります。光沢紙なのか、マット紙なのか、余白はどれくらいとるか・・・今回はドイツのシール社というメーカーのマット紙を使用したので、紙の質感を感じてもらえるよう、大きくプリントした写真は額のアクリルを外して展示してみました。紙にもこだわってプリントすることで、自分の写真を更に愛おしく、大切に想うことができます。プリントは、写真に命を吹き込むとても大切な作業です。

展示をした方が良い理由-(3)第三者の意見

展示の醍醐味は何と言っても、訪れてくださった方々に直接写真の意見を伺えることだと思います。観に来てくださった方全員とお話したかったので、筆者は毎日在廊していましたが、色々な方とお話している中で、自分の写真の新しい一面を発見することができました。また、それが新たなテーマにも繋がっていくことを体感しました。以前別の記事でも書きましたが、「撮って終わりはもったいない!」まさにこれです。一度展示という形でみせることで、次のステップに進むきっかけとなります。
個展の開催はとても労力のいることですし、自分と向き合う孤独な作業でもありますが、得るものの方が遥かに多く、等身大の自分を知るとても良い機会になります。本格的に写真を撮り始めて、次のステップに進みたい!と思っている方には特にオススメですよ。

(maaya)

[ Photo by maaya ]
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